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Author:ヤマカズ
インターネットおじさん。
30年以上コンピューターとともに過ごしてきて、その中でインターネット業界の進化とともに20数年歩んできました。
フロントからサーバーサイド、インフラまで、まるっとできちゃいます。
今はインフラエンジニアとして、SRE志向でネットワークやサーバーの管理などをやってます。
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2017.12
07 |
なんかえらく長くなってしまいましたね……
前回、「WiFiの不調」にどんな要因が関わっているかを挙げていきました。 それをもとに、どうしたら解消できるか考えていきたいと思います。 まず、多少良くできる方法はありますので、ひとまず一度下記を試してみてください。
特に、オフィスが広くて、どこでも同じSSIDで接続したい、途切れないようにしたい、となると、市販の機器では手に負えません。 あーだこーだやって無駄な時間を使い工数をかけるなら、その分の工費をかけて改善した方がスッキリすると思います。 で、どうするかというと、専門の業者に頼んで業務用の機器を導入する、というのが一番確実です。 はい、ありきたりの対応ですね…… ただ、専門なだけあっていろいろな知見がありますし、電波の調査やネットワーク構成、ヒアリングなどから規模感・環境・使用頻度などを鑑みて、機器の選定や設置位置の指定などをしてくれます。 特にCiscoやArubaなどのエンタープライズ向けの機器になると、詳しい人がずっと居てくれるような所でなければ、おいそれと導入なんてできません。 ということで、まじめな話、端末50台を超えるぐらいの会社規模になってきたら、エンタープライズ向けの機器に切り替えていくことをオススメします。 もしほかに気になるところとか、質問などありましたら、遠慮なくお知らせください。 Twitterなどで受け付けています! スポンサーサイト
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2017.11
30 |
前回、「WiFiの不調」についていくつかの症状を挙げてみましたが、これには実に様々な要因が関係しています。
実際私が遭遇した事例を挙げていきます。 DFS検知 5GHz帯(a/c)では、周辺の気象レーダーの電波を検知すると、動作を停止して気象レーダーのチャンネルを回避するようになっています(法律で定められています)。 これに遭遇すると、突然切れたり繋がらなくなることがあります。 オフィスの場所にもよりますし、回避する方法は無いので、特定のチャンネルだけ使わないようにする、などの対応が必要になります。 機器の不調 機器のバグなどで、たとえば頻繁に接続・切断を繰り返すと反応しなくなる、などの症状が出る場合があります。 この場合は機器の再起動で治りますが、また同じ症状を繰り返します。 DHCPの不具合 意外に盲点なのが、DHCPの割り当てIPアドレスが枯渇して、IPアドレスが割り当てられないケースです。 50人ぐらいでノートPCもスマホも使う会社では、100IPアドレス以上は使いますし、WiFiが不調で有線と無線を両方使っている人もいたりで、実は結構消費します。 電波妨害 いわゆる、電子レンジや複合機、ワイヤレスマウス・キーボード、Bluetooth機器などの電波干渉によるものです。 また、人通りが多い道路沿いの低層フロアにオフィスがあると、通行人のスマホの電波を受けすぎてアクセスポイントの調子が悪くなることがあります。 アクセスポイントの置きすぎも要注意です。使用チャンネルが被ると使える帯域が減って速度が落ちます。 2.4GHz帯(b/g)を使っている 2.4GHz帯(b/g)は使用できる帯域が少ないうえ、電波妨害が多い、電波が飛びすぎて周囲のWiFiを拾ってしまう、など、どう頑張っても速度が出ません。 気を付けなければならないのが、5GHz帯(a/c)と2.4GHz帯(b/g)を同じSSIDで設定している場合です。5GHz帯(a/c)を使っているつもりで、いつの間にか2.4GHz帯(b/g)に切り替わっていることがあり、速度が出ないと感じることがあります。 ステルスSSID 昔、SSIDを表示しないようにしてセキュリティ対策を、とうたわれたステルスSSIDですが、今では逆にセキュリティに問題があるといわれ、iPhoneなどではエラー表示されるほどです。 また、ステルスが故に端末がWiFiを見失う原因にもなります。 電波が弱すぎる 文字通り、電波が弱くて届かないケースです。壁や障害物があると、確かに電波は到達しにくくなります。 が、実は思っているほど電波は弱くありません。意外と遠くまで飛んでいますし、普通のパーティションなら通り抜けます。 特に2.4GHz帯(b/g)は周波数が少ないため、遠くに飛びやすくなっています。 設置場所についても、たとえば天井につけた方が望ましい、と言われますが、置く場所に困らないだけで、正直あまり効果を実感したことはありません。 電波が強すぎる で、意外と気づかないのがこちらです。必要以上に電波が強いと、遠いところのWiFiを拾ってしまい、かえって調子が悪いくなってしまいます。 盲点なのが、EPSなど他フロアと金属製のパイプ等が繋がっているところです。EPSの近くにアクセスポイントが置いてあると、金属を伝って他フロアの電波が飛んできたりしますので要注意です。 ローミング 複数のWiFiアクセスポイントを用意して各地に配置し、SSIDを同じにすることで、移動しても同じSSIDで切れずに使い続けられる、という夢のような機能です。 おそらく、広い社内を一つのSSIDで、となったときに、まず実行する対応だと思います。 ただし落とし穴があります。WiFiアクセスポイントがそれぞれ独立している場合、どちらに繋がるかは端末側でなりゆきに制御することになります。 特に複数のアクセスポイントが拾える場所だと、その時の状況であっちに繋がりこっちに繋がり、ということになり、逆に調子が悪くなります。 ローミングを快適に利用するには、どの端末をどのアクセスポイントに繋げるか、という管理を行うべきです。 アクセスポイントへの端末の接続数 一つのアクセスポイントに接続できる端末が限界に達していると、それ以上処理しきれなくなってしまいます。 これは仕様値を過信しない方が良いです。もっと少ないところで限界は来ます。 実は光回線の調子が悪い WiFiかと思っていたら、実はネット自体がダメだった、ということがよくあります。 数人のベンチャーだと、家庭向けのプロバイダーを使っていたりすることがありますよね。そういったところは、公称では1Gbpsといっても実際は200Mbps出ればいい方、夜間の混雑時間帯は1Mbpsも出ないことがあります。 そのまま会社規模が数倍になっていたらなおさらです。 ではどうしたらいいか、についてはまた次回…… 続き:WiFiの不調にあえぐ成長企業(3) |
2017.11
30 |
会社がベンチャーから成長していく過程で、マンションの一室みたいなところから10人20人30人と人数が増えてきて、40~50人ぐらいになると、だいたいWiFi(無線LAN)が繋がらない(繋がりにくい)、遅い、という「WiFiの不調」にぶち当たります。
しかし、ネットを調べても、電波の飛びが悪いとか、アンテナの向きが悪いとか、電子レンジがダメだとか、家庭レベルの通り一辺倒なことしか書いておらず、あれこれ試して時間をかけても徒労に終わることがほとんどです。 私も、社内の情報システムを長年見てきて、バンバンクレームが来て胃を痛めながらも色々と知見がたまってきたので、後世(笑)にその情報を共有したいと思います。 まず、「WiFiの不調」には、下記のような症例があります。
続き:WiFiの不調にあえぐ成長企業(2) |